仲道郁代コンサート 曲目一覧

1.絵とお話とピアノでつづる「星のどうぶつたち」(25分)
2.ショパン:幻想即興曲嬰ハ短調OP60(5分)
3.ショパン:ワルツ第6番変ニ長調OP64−1「子犬」(3分)
4.ショパン:ワルツ第7番嬰ハ短調OP64−2(3分)
5.ショパン:夜想曲(レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ)第20番嬰ハ短調(3分)
6.ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調「英雄」(8分)

(以上は予定です)
 

●「星のどうぶつたち」について

 仲道郁代    


  このプログラムは、実は、私の娘にこういうものを見せて、聴かせたいなあ、と思っ たところから、はじまりました。

  今、4歳になる我が娘ですが、最近はあらゆることに興味が広がってきたらしく、こちらは質問攻めにあっています。特に、これしてみたい、あれ見てみたい、と要求の多いこと。

  親としては、嬉しく思う反面、子供が参加できて、なおかつ子供の興味をひっぱるようなものを探し出すのに、ちょっと苦労もしています。

 そんな時、ある地方都市で、幼稚園児から中学3年生までを集めた、お話付きコンサートをしました。幅広い年齢層の子供たちにどう受け入れられるか、とても心配だったのですが、以外や以外、一番目をきらきらさせて聴いてくれて、お話にお返事まで返してくれたのは、幼稚園児たちでした。

 「多感な、そして素直な感性を持った小さい子供達に、生のピアノの音に触れる機会をもってもらいたい。」かくして、この星の動物たちプログラムが生まれたのです。

 田中カレンさんの、叙情的な曲。ひなたあつこさんのかわいい暖かいイラスト。そして、みのぐちかずみさんの、ファンタジックなお話。これらが、融合してとても美しい作品になりました。

 わが子の弁。「ママの普通のコンサートも好きだけど、星の動物たちは、絵の中に入ったような気分になるからもっと好きなの。」
 

 この作品が、たくさんの子供達にとっての、音楽とのひとつの幸せな出会いになることが出来れば、嬉しいです。

●仲道郁代 プロフィール

 IKUYO NAKAMICHI (PIANO)
  金原美津子女史より手ほどきを受け、中学時代はアメリカ・ミシガン州でフィリス・ラパポート氏、桐朋学園高校を経て、桐朋学園大学で中島和彦氏に師事。大学1年在学中に、第51回日本音楽コンクール第1位、あわせて増沢賞を受賞し注目を集めた。その後、文化庁在外研修員としてミュンヘン国立音楽大学に留学し、クラウス・シルデ氏に師事した。

 その後、'86年ジュネーブ国際コンクール最高位、メンデルスゾーン・コンクール第1位及びメンデルスゾーン賞、'87年エリーザベト王妃国際コンクール5位と受賞を重ね、以後ヨーロッパと日本で本格的な演奏活動を開始する。これらの活動が評価され国内でも'88年に村松賞、'93年に第23回モービル音楽賞奨励賞を受賞した。

 古典からロマン派までの幅広いレパートリーを持ち、これまでに日本の主要オーケストラと共演した他、海外のオーケストラとの共演も数多く、ギュンター・ピヒラー指揮ロンドン・モーツァルト管弦楽団、ロリン・マゼール指揮ピッツバーグ交響楽団及びバイエルン放送交響楽団、小林研一郎指揮ハンガリー国立交響楽団、ピンカス・ズッカーマン指揮イギリス室内管弦楽団、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮ベルリン放送交響楽団などのソリストとして迎えられ、その音楽性に高い評価を得ている。さらに、'90年には新星日本交響楽団ヨーロッパ公演、日本フィルハーモニー交響楽団アメリカ公演、翌年には、日本フィルハーモニー交響楽団ヨーロッパ公演にソリストとして同行、現地の新聞紙上において「卓越したすばらしい技量とた おやかな詩情との調和がみごとであった」「はっきりと冴えた大胆な把握力は、どこをとっても堂々としている。」と評された。

 一方、室内楽の分野でもベルリン・ブランディス弦楽四重奏団、ケルビーニ弦楽四重奏団、ショスタコーヴィチ弦楽四重奏団、ベルリン・フィル八重奏団と共演。近年では、リチャード・ストルツマン(クラリネット)、ヨセフ・スーク(ヴァイオリン)とのデュオが、各地で絶賛され、海外アーティストの厚い信頼を得ている。

 リサイタルも日本各地で行っており、'94年から5年間に亘って行った3大B(バッハ、ベートーヴェン、ブラームス)のシリーズ、'98年から現在も進行中の「ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲演奏会」は、真摯な取り組みと高い音楽性が評価されている。また、'96年からスタートさせた「仲道郁代の音楽学校」は、前半に演奏を交えた「芝居」、後半に「演奏」という世界でも初めての啓蒙プログラムとして国内外から注目され、'99年12月にはマンハッタン・スクール・オブ・ミュージック(MSM)で「新しい表現への試み」に関するマスター・クラスを行った他、2000年4月には国際交流基金の派遣によるアジア・ツアーを成功のうちに終えるなど、彼女の重要なライフ・ワークになっている。

 さらに彼女の多彩なアイディアや情熱から生まれた企画も多く、2000年秋には「子供たちに音楽との素敵な出会いをプレゼントしたい」との意志から、「絵とお話とピアノでつづる"星のどうぶつたち"」というスライドを使用したミニ・コンサートをスタートさせ、その温かい語り口とピアノが全国から注目されている他、妹の仲道祐子との「デュオ・リサイタル」は、姉妹ならではのおしゃべりや選曲が通常のクラシックコンサートにはない"楽しさと優しさがいっぱい"と評判になっている。

 レコーディングはBMGファンハウスと専属契約を結び、これまでに15枚のCDをリリースしている。最新盤は'99年4月21日に発売されたドイツロマン派の小品集「ロマンティック・メロディ」で、「レコード芸術」誌上「しっとりとした気品をそなえた第一級の工芸品」と評され、特選盤に選ばれている。著作には「ステージの光の中から」(音楽之友社)がある。

 デビュー以来、ヨーロッパ、日本を舞台に活動を行っていたが、'99年4月にはニューヨークのカーネギー・ワイル・リサイタル・ホールでリサイタル・デビュー。充実した演奏とプログラミングの妙が高く評価された。

 今後のスケジュールとしては、2001年9月、10月にサウリュス・ソンデツキス指揮リトアニア室内管弦楽団と日本全国で共演する他、12月にはサンクト・ペテルブルク、ベルリン・フィルハーモニーホールでのコンチェルト・デビューが予定されている。

 温かい抒情と完璧なまでの技巧に支えられ、輝きと深みを増している仲道郁代は日本を代表するピアニストへと成長を遂げており、ますます目が離せない存在になっている。
 (仲道郁代オフィシャル・ホームページ http://ikuyo-nakamichi.com/から)