について...

 FAZIOLI社は1978年に創設されたイタリアのピアノメーカーで、社長のパオロ・ファツィオリはピアニストでもあります。
 世界最高のピアノ製作をめざす社長のもと、イタリア人名ピアニスト・ミケランジェリの調律師であるタローネの弟子らが、スタインウエイ社ではなしえなかった技術者の夢を形にするためにピアノ製作をはじめました。そのため手作業にこだわり、緻密な調整作業を必要とする各音独立のアリコートシステムなど、スタインウエイでは工程を省くため単純化されている部分にも大変手間をかけた構造になっています。
 ストラディヴァリがバイオリン用木材を選んだ場所・フィエミ谷の響板材を使い、アクションはレンナー製、ハンマーはアベル製の特別仕様品を用いています。家具メーカーが母胎のメーカーだけに、イタリア的な造形美も備えています。

 音の傾向は木質でやわらかく、「癒し系」の音と評されます。
 高音のきらきら感に特徴のある明るい音質で、「鐘のような高音と地中海のプリマドンナに抱かれるかのような中低音」と形容されているそうです。
 弾力に富む大きなハンマーによってきわめて多様な表情を引き出すことが出来、スタインウエイとベーゼンドルファーのよい部分を合わせ持つ、新しい時代のピアノと言えます。
 

● 日本では希少な名器 FAZIOLI

 コアでのFAZIOLIフルコンサートグランド導入は、東日本初の快挙です。

 スタインウエイを超えるピアノとして登場したFAZIOLIは欧米において大変評価が高く、コンサートホールにも次々と導入されFAZIOLIで録音されたCDも増えてきています。
 手作りにこだわった楽器のため絶対数がまだ少なく、日本ではまだ一部の音楽家、調律師のみが知る存在ですが、日本人演奏家によるCDも数種発売され注目をされはじめています。まさにこれからが楽しみな楽器と言えるでしょう。

 コアに於いて3月31日にコンサートを行った仲道郁代さんも、ベルギー、イギリス、そしてコアに於いてお弾きになり、「すばらしいピアノ」と絶賛されています(ダイアリー 2001年12月5日参照)。

 このような状況を受け、『レコード芸術』2002年6月号(音楽の友社)では、FAZIOLIについてカラー5ページを割いて特集しました。コアのFAZIOLIも取材対象となりました

 日本では、すでに滋賀県栗東市の栗東芸術文化会館「さきら」に導入されています。同ホール主催イベントでは、所有する国内外5台のフルコン(スタインウエイ、ベーゼンドルファー、ファツィオリ、ヤマハ、カワイ)の中でもメインとして使われ、数々の海外演奏家のコンサートにより高い評価を受けています。
 

 世界的には高く評価され、日本に於いても注目を集めつつあるFAZIOLIの導入は、画一的な日本のピアノへの考え方に一石を投じる快挙と言えましょう。  

● 海外における書籍での紹介例

『ピアノ・ブック』 ラリー・ファイン著(ピアノの選び方と手入れのしかたのガイドブック)
……「このピアノは途方もないパワーに加えて、豊かな表現力と澄んだ音色を合わせ持っている」

『ピアノ』 ディヴィット・クロンビー著(ピアノの歴史書)
……「世界のピアノ・メーカーのベスト・スリーの一つに入る」

『パリ左岸のピアノ工房』T.E.カーハート著(ピアノ随筆)
……パオロ・ファツィオリが世界最高のピアノ製作をめざし、ピアノを完成させた物語を取り上げています。
 

● 導入モデル F278について

 コンサートホールに導入されるフルコンサートグランドと呼ばれるサイズ。
 88鍵 奥行き278cm 幅155cm 590kg 定価1480万円
 

  → FAZIOLI社ホームページ
 

 
  ↑コアのファツィオリに記された、イタリア人名演奏家アルド・チッコリーニのサイン。

コアHP内関連リンク

● コアのFAZIOLI『レコード芸術』に掲載される!
● コアのFAZIOLI『レコード芸術』の取材受ける!
● 試弾の模様
● 搬入の模様

※このピアノは公民館標準備品とは導入経緯が異なります。このため、導入後は幕張ベイタウン自治会連合会の備品となり、音楽ホール備品として一般の音楽ホールと同様に管理されています。使用は自治会連合会コミュニティコア研究会ピアノ管理委員会の認めた団体にのみ許可しています。個人への貸し出し・試弾は認めていません。  

※コンサートピアノは維持管理がきわめて重要です。
・音湿度管理については施設管理を行っている公民館側と協議しており、ホールの設計想定の管理が行えるよう調整中です。
・コンサートピアノで通常必要とされる年1回の保守点検調律(2日間、約十万円)を行い、性能維持に万全を期したいと考えています。また、ピアノ担当者が日常的に状態をチェックし、弾き込みを重ね、コンサートに耐えうる最良の状態を維持したいと考えています。