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★コアの設計図を見ながら、あれこれ注文する会 のレポート★
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場所:グランパティオス東の街コミュニティルーム
日時:2000年7月1日(土)10:00〜12:30
主催:コミュニティ・コア研究会
出席:高谷時彦氏=コア設計者=(株)設計・計画高谷時彦事務所 代表
    青木氏、尾辻氏(都市環境研究所=コンサルタント)
    千葉県企業庁幕張新都心建設課施設班 加藤忠雄主幹、
    緒方氏、津村氏
ベイタウン住民約50名、
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#[コア研事務局]
「コアの設計図を見ながら、あれこれ注文する会」を開催しました。
 
コアの基本設計は、波瀾万丈、いろいろありましたが、最終段階です。デザイン会議のワークショップを経て、固まりつつあります。
そして、この機会がラストオーダーになります。

●高谷氏の説明

・第1回の説明会の確認

1)コアをどう考えるか。
   ・利便施設を超えて、住民のシンボルにしたい。
   ・ざっくばらんでもキラリと光るものにしたい。
   ・構えたものでなく、気軽に入れる施設。
   ・落ち着いていて、強い主張があるわけでないが、
    ハレの場の雰囲気のある華やかさを持たせたい。

2)街のルールに付き合っていく。
   ・沿道性があリ、中庭を持っているスタイルを、踏襲したい。
   ・閉鎖的に作らない。
   ・開いているか、ゾーンとして作られているようにしたい。

3)コミュニケーションの場
   ・情報発信しよう。
   ・人と人とのつながりを中心にしたい。
   ・ガチガチでなく、ちょっとした隙間ができないか。

●内容説明

・4つのゾーンで、全体を取り囲もうとしている。
   1)子供ルーム・図書館分館ゾーン:2階建て
   2)ホール、会議室:平屋建て(高さは高い)
   3)アトリウムゾーン:平屋建て(2層分)
   4)パーキング
・木で沿道性を出させたい。
・中庭は、開いた形とする。

・プロムナード側に正面をもってくる。
   ・小さな広場を作る。
   ・たまりもある。

・エントランスホール
   ・コミュニテイラウンジでは、24〜25人の会議もできる。
   ・公民館の事務室も設ける。

・公民館スペース
   ・生音に対して響きの良いもの。
   ・ホールのみではない。
   ・可動ステージ(床は一部昇降できる)
   ・ステージ下げれば、エアロビクスや社交ダンスもできる。
   ・バックスペースとしての控室が取れない。

・会議室
   ・56席入り、かなり広い。
   ・間仕切りもできる。
   ・ホールの控え室にもしたい。

・和室
   ・50u弱、15畳分
   ・前回指摘された90cmモジュールで作るようやり直す。

・調理室
   ・4テーブル、24人

・講習室
   ・工房、大工仕事、陶芸、生け花、アトリエ。
   ・屋外ステージで作ることも可能。

・倉庫 
   ・調理室と講習室の間に設ける。

・ギャラリー
   ・3mの壁があり、絵がかけられる。
   ・普段は椅子を置くことも可能。

・図書館
   ・エントランスから2階に上がると図書館ゾーンへ。
   ・中庭に面して、曲面にそってブラウジングコーナー。
   ・児童、中学生以下、幼児室、一般開架ゾーン
   ・児童、幼児の部屋を別とする。
   ・絵本コーナーを単独で分けた方が良いかどうかはこれから考える。
   ・小さいお子さんでもすぐに行けるように、多目的トイレを作る。
   ・一般トイレもある。
   ・千葉市とまだ細部は煮詰まっていない。

・子どもルーム
   ・1階で中庭に面している。
   ・外にすぐ出られるように。(管理上の問題は、まだ確認していない)
   ・日当たりは良い。
   ・192u位となる。
   ・どう仕切るかは、いくつかの案がある。
   ・これからこのゾーンは千葉市と検討したい。

・ルーフテラス
   ・プランターを置けるようなスペースである。

●個別Q&A

[図書館]
 
Q:近くの高洲図書館を利用するが、混雑していて座れない時もある。
  それに比べてこの図書館は小さいし、テーブルも書架も少ない。
A:
・狭いのは解る。
・千葉市は、貸し出し中心の図書館分館という位置付けである。
・外へ出て読むことはできないかと基本計画にはあったので検討したが、外部に出ることは難しい。
・ルーフテラス、集会場の上は良いと千葉市も認めてくれた。
・書架の配置については、実施設計で細工していく。
・テーブルはもう少し置けるかもしれない。
・図書館の全体スペースに関しては、千葉市の分館としてのスタンダードがある。

#なぜ分館なのか?
  ・美浜区は、高洲が本館、検見川浜は、公民館図書室である。
#本館にできないか?
  ・当時、各区に本館1つという規定があった。
  ・打瀬の図書館のモデルになった「あすみが丘」も、図書館分館だが550uしかない。ベイタウンはこれより広い。
  ・分館という設定は、千葉市の5ヵ年計画で議会の承認を得ていた。そのあと、我々ベイタウン住民の入居が始まった。
  ・だから名前は分館でも、実を取るしかないという現実的判断でやってきた。
  ・将来的には増築し、本館化をはかるべきだ。その増築のスペースを配慮した設計になっている。

Q:ガレージの上の部分も広げて良いのでは?
A:将来の拡張スペースと考えている。

Q:ブラウジングコーナーはこの場所が良いのか?
A:
・位置は、まだはっきり決まっていない。
・入ってすぐに書架があると視界がさえぎられるが、ソファーなら視界が広がる。
・カウンターを入れるので、入口は低くしたい。
・それ以上の理由はないので、もう少し検討したい。

Q:幼児室はどれくらいの広さか?
A:約20畳。

Q:書架は、壁の周りに置いたら?幼児室は、寝転がって読めるような床があれば良いのでは?
A:まだ決まっていないので、詰めていない。

Q:図書館入口に、手荷物を置けるロッカーを置いたらどうか?モラルUPのためにも、ロッカー欲しい。
A:
・分館の場合、盗難防止の機械システムは入れない。
・荷物は、持って入るシステムとなりそう。

Q:1階に傘立てあるのか?
A:傘立ては、備品で入れる。

Q:幼児室の開架について。
・絵本、児童室は分ける必要はない。
・フラットなスペースを幼児室にして欲しい。
A:
・幼児室絵本コーナーは座って読めるようにしたい。
・実施設計で検討したい。

#図書館の具体的なことは、コア研の分科会である「図書館研究会」を中心にして、千葉市と直接詰めてもらいたい。
 
Q:テラスの上をおおうことはできるのか?
A:
・希望は持っているが、おおうと床面積が+αとして加算されるので、床面積を広げることには、問題がある。
・基本計画では、1950uで予算組んでいる。
・現状では、1988uまで増えている。
・2000u位までならなんとかなるが、これを超えると予算内でできない。
・企業庁もお金がないし、+40uでがんばったと評価して欲しい。

Q:子どもルームの食事室の中に絵本コーナーがあったほうが良いのでは?図書館の児童室、閲覧室を1階に移すと、下で遊んでいて
 2階に上がる必要もない。
A:
・子どもルームは、学童保育としてお金を払って決まったお子さんが使う。利用時間帯も違うし、子どもルームには、原則入れない。
・プレイルームは、日曜日や平日の午前中は子どもがいないので、荷物をロッカーに入れるとか、管理面をクリアーできれば、使うことができる。
・児童館とは性格が違う。

#平日の午前中や休日、子どもルームとして使用できない時間帯でも使えるように要望してきた。
#千葉市は、児童館と言うコンセプトがない。
#「開かれた子どもルーム」のコンセプトを重視し、児童館の持つメリットを導入したい。
#まあ、一種の苦肉の策だ。

Q:子どもルームから図書館の入口だけでも、ぶらっと行けないか?
A:
・担当所管が違う所にあるので難しい。
・性格も異なるので、分けざるをえない。
・子どもルームへの団体貸し出しという方法もある。2週間まとめて300〜400冊貸し出すとか流動性も考えられる。

#浦安や市川の図書館は、もっと機能的である。千葉市だけに任せていてはダメ。
#コアの管理・運営には、基本計画で、住民参加がうたってある。千葉市が合意した内容だ。
 こんな規定を設けた社会教育施設は、千葉市にはない。我々の運動の成果の一つだ。千葉市幹部の理解もあった。
 これが使い辛さを取り除く突破口となるのではないか。
#今後、千葉市では、図書館も公民館も中央図書館、中央公民館段階での協議のみとなる。個別館での問題点について住民の声を反映する
 ことが難しい。
#だから、コアの運営協議会を作るなどして、コア全体の運営で住民参加を求めるしかない。

A:企業庁としても、千葉市と話してみる。

[ホール]

Q:集会室は、何に使うのか?謡や踊りに使う舞台や倉庫が必要では?
A:
・伝統芸能や日本舞踊には緞帳がいるが、ホールには付けていない。
・幕は、引き分け幕とする。
・生音重視の演奏会となると、舞台のあるホールとは性能は異なる。どちらかを優先させるとなれば、生音を優先させたい。
・両方一緒にできるホールもあるが、億単位のコストがかかる。
・ホールは、展示会にも使える。
・まん中にステージも置ける。

Q:照明は、どうなっているのか?
A:
・2列のライトを吊るす。
・シームライトを、その範囲で対応したい。

Q:音が良い裏付けは?
A:
・1人あたりの空気量が10立米持てるようなホールは、県内でもない。
・ロックの音は、浮き床構造でないのでアトリウムまでは外に漏れる。
・図書館までは、漏れない。

Q:生音重視と多目的とは矛盾している。防音壁とか反射板とか矛盾を回避する策はあるのか?
・日本の自治体のホールは、多目的のため運営ができていない。
・コンセプトがあいまいだと、どれにも使い辛く、失敗作的なホール多い。
・デッドの残響ないようなものを作り、電気音響でコントロールする手法もある。
・完成後の運営形態も問題である。
A:
・多目的型のホールは、80年代からあまり使われなくなってきた。
・生音重視に移行している。
・多目的といっても、床が固くライブで反射面が多い。

Q:響きが多いと会話の明瞭度が落ちるのでは?
A:200席位なら大丈夫だ。壁に幕をかけるとか(手動)はしたい。

Q:ホールの椅子はどうするのか?実施設計は細かい積み重ね、ぜひ、皆さんの声を生かして頂きたい。
A:実施設計は7月から11月(できたら12月)まで使いたい。

#細かい点は全体会議での協議には似合わなくなってくるので、図書館、ホールなど個別に交渉する必要が出てくる。

Q:オーディオやDVD、ピアノのレベルはどうか?
A:
・原則として、作り付けのものは企業庁、建築の中に入れるものは備品で千葉市。
・図書館の書棚は企業庁。

Q:備品の説明会はあるのか?
A:これからは、千葉市とも調整したい。

Q:ホールは日常住民が利用するのが基本。各サークル利用者の備品を置くためのスペースはあるのか?
A:サークル用ロッカーを5mスペースで確保している。

Q:ホールに練習用鏡張りやバーはないのか?
A:鏡の話は以前からも出ていたが、ホールに固定するとなると難しい。可動にして作りたい。

Q:会議室の防音処理は?
A:
・ホールの控え室としても使うので、防音仕様とする。
・鏡を置くこともできる。
・可動間仕切りも付けられる。

Q:ホールを見る側として、外から見たときのデザインポイントは?
・プロムナードに面した部分が大きく壁面となっており、単調に見える。日の当たる部分でもあるので、美しくしてもらいたい。

A:壁の処理は、まだ考えていない。なにかデザインを施したい。

Q:アトリウムはガラス張りなのか?
A:そのとおり。

Q:テラスからのブリッジはここでないといけないのか?
A:
・上からも下からも見られることを意識した。
・ステージの上からも見られるようにしたい。

Q:下から見るとじゃまになる。
・このブリッジがあると、夜テラスで悪さされるのでは?
・ステージ広場は、ウラっぽい。
A:
・ブリッジの下には鎖を、上にはゲートをつける。
・このブリッジによって面白味が出るのではと思う。
・後ろは、ステージのバックスペースとなる。
・ステージ周辺は、ウラっぽさはないと思う。デザイン上の対応をしたい。

Q:公園には、舗道から入りやすいことが必要。
・高木ばかりだと、壁のようだ。
・低木による植栽も考えられるのでは?
A:
・植栽に、ブロックの意識はない。
・東京フォーラムの中庭のような感じである。
・幹の間は、自由に通り抜けられる。
・もっと閉鎖しろと言う意見もある。
・木は桂の成木を考えている。
・低木で仕切ることは考えていない。

Q:自分の管轄領域を囲ってしまうような作りにはしないで欲しい。
・室内.室外に無目的な場所も欲しい。街中にはないのでゆとり欲しい。

[子どもルーム]

Q:児童保育は早めに対応をかんがえていかないと、毎年500戸増えるペースでは、
3年後、5年後には対応できなくなる。
・行政の先送りではないか?
・市民税や地代も納めている。
・財源がないというが、税金の一部は、住民にもっと還元されるべきである。
・児童館もないようでは、よりいっそう、出生率も下がる。
・企業庁はディベロッパーである。
・人口の伸びに対してのコンタクトが十分になっていない。
・10年後のことを考えたコアの施設なのか?それなら、あまりにも小さすぎる。

#住民同士で要望してもダメ。企業庁も千葉市も動かない。
#今後の10年は、かなり言わないと良いのはできない。
#今回の早期施設は、とりあえず必要なものだけで、
  将来施設は、現状では何も決まっていない。
#シニアの会も、現在の危機感をバネに頑張って欲しい。
#生みの親(企業庁)はもっと面倒見るべきだ。

Q:トイレは、オシメを替えられるような配慮をして欲しい。
A:トイレのベビーシートは想定している。

Q:児童館となれば、月曜休館となる。
 学童保育の施設は、都内のように本来学校にあれば一番良いと思うが?

#学校に空き教室を利用できれば良いが、そのスペースはない。
#無いときは、プレハブを建てるか、公共的施設の中でスペースを確保しなければならない。
#月曜に開いている時のメリットとデメリットがある。
#子どもが増加し、第3小まで考えられている現状では、この判断が最善のものなのかどうか難しい問題だ。
#教育の場を学校だけに限定せず、広く地域の教育として考えた場合、社会教育施設(図書館や公民館)に児童福祉施設(子どもルーム)が
 併設されているメリットを生かすこともできる。
#現在の子どもルーム(11番街)は、42人。すでにスペースが狭く、おやつの時間など立錐の余地もない。子どもルーム・アネックス(別館)が
 必要な状態だ。みんなで知恵を出し合って、解決して行かねばならない。

#街が抱えている矛盾と同じように、地域教育も矛盾を抱えて進んでいる。
#今後は、「打瀬に子どものための施設を望む会」での取り組みとか、フォーラム開催などを通じて、地域の教育力を高める必要性がある。
 そういう動きの中心に、今日の参加者がなって頂きたい。
 

[その他]

Q:駐輪場を想定していないが?
A:
・ピロティーに置くことはできる。
・床面積に入るので、表記できない。

Q:現有料駐車場の移転に関しては、まだ予算がついていない。
・コアができたが駐車場がそのままではすまない。
・きちんと予算化して頂かないと信義に反する。
A(企業庁):駐車場の件は、担当として主張する。

Q:郵便局は、コアの完成前にできることが義務になっている。
  スペースは、もう決まったのか?
・仕事は速く、そして、情報公開して欲しい。
A:
・関東郵政局が見に来ている。
・スペースはまだ決まっていない。

Q:シニアの施設も足りない。溜まり場も欲しい。
・「老人憩いの家」もまだ俎上に上っていない。
・自治会連合会、市役所、企業もようやく関心を示してきた。

#それぞれに関心のお持ちの方は、連絡欲しい。
継続的な活動支援をお願いする。

Q:カルガモ館、移設できないか?
A:移設先は決まっているようだ。
(都内で買い手はあるらしい)

●他の提案

・クリスマスデコレーションできるようなランドマークは考えているか?
・自治会連合会事務所、老人クラブ事務所などの公的スペースがない。
・海外からの講師、演者を迎えた時の対応として、フラッグ・ポールを設置したらどうか?
・コミュニティーセンターガーデンやコミュニティコートで行われるイベント対応の外部電源設備。
・テントなどの仮設対応として、トラの取れる埋設アンカー金物。
・日除けパラソルなどの設置のための金物の埋設。
・ピクチャーレールなど展示補助設備。
・講堂、会議室に吊物のためのバトンがあると便利。

●今後の予定
#千葉市との会合を2ヶ月後位先に行いたい。
#企業庁からの中間説明もお願いしたい。