◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆◆
       【 コアを考えるつどい 】
◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◆◆

日時  : 1999年9月5日(日)午前10時〜12時30分
場所  : 5番街集会室
主催  : コミュニティ・コア研究会
ゲスト : 都市環境研究所の尾辻信宣さん
 
 

尾辻さんの紹介 :
都市環境研究所の土田旭さん(ベイタウンの5番街、12番街の計画設計担当者で、GPEの設計計画調整者兼ブロックアーキテクト、コアも含めたエリアの幹事計画設計調整者担当)の事務所所員。
今回、コミュニティコアの早期整備施設の基本計画策定業務を都市環境研究所が受託し、その担当を務める。
 

1.コミュニティ・コア研究会の生い立ち説明
第1回集会は、20名ほど集まる(ベイタウンHPの中にある「この指とまれ」を参照してください)。

2.コア研と企業庁、千葉市、などとの交渉経過説明

3.第3回コミュニティ・コア事業化研究会の資料(昨年春作成)説明

   資料2: 住民側の要望をまとめている(情報伝達研究所作成)
   資料3: 施設のイメージ(情報伝達研究所作成)
   資料4: コミュニティ・コアの位置付けと施設整備の方向、当面の課題

この中で、当面の課題B、管理運営主体の明確化について、昨年春以降企業庁と千葉市の協議が延々と続き、コアの建設は企業庁、管理は千葉市が行なうことで今年の5月にようやくまとまる。

これを受け、企業庁は都市環境研究所に基本設計策定業務を委託し、また土田旭さんへアドバイザーとしてまとめ役を依頼した。

この経過を踏まえ、都市環境研究所は8月24日(火)、住民側10名からのヒアリングを開いた。

住民側: 図書研、ひまわりの会、瀬音、自治連合会(田村、佐古、砂原、松村)
      コア研(下川、大屋、茂木)、ベイタウンネット(柴崎)
図書館関係者、企業庁側6名(井出さん他オブザーバー参加)
 

4.今日の集会の目的説明

コミュニティ・コア(早期整備施設)の基本計画策定に企業庁が着手したことを受け、コア研を再始動するにあたり、ベイタウン住民の声を再結集すること。
また尾辻さんをゲストに迎え、現時点で計画されている施設内容などについて意見交換する。
 
 

5.尾辻さんから今後のスケジュール説明

・業務委託期間は平成12年1月末だが、基本計画の大半の内容は12月上旬までにまとめたい。
・12月〜1月にかけては細かい点を調整・決定し、つぎのステップとなる基本実施設計の準備を行う予定。
・今回の業務の中で、基本・実施設計をする建築家の選定まで行う予定。
(若手建築家を起用したい)
・2001年秋に竣工予定。
・具体的に検討を行う場としては、住民、企業庁、市役所から代表者を出してもらい、検討会(ワークショップ?)を開く。
・この中で基本計画の大筋の内容を決めていく予定。
・年内に2〜3回行なう。

#住民には、検討会があるたびに報告会を行なう。
#住民のみなさんには、できるだけ多くの方に参加して頂きたい。(下川さん)
 

6.各グループ、集会参加者の要望アピール

1)子どもルーム

・現在の11番街の子供ルームは騒音のため遠慮がちにしているため、満足した状態ではない。
・現状は親が管理運営しているが、来年千葉市に移管されることが決定。
・打瀬第2小に子供ルームを入れたかったが、施設内に空きがないので不可能。
・公共の施設は、コアしかない。
・住民全体の要望からみれば、優先順位は低いかと思うので、午前中は就学前の子供たちに使うとか考えている。
・静かな部屋と、活発に遊べる2つの部屋が欲しい。
・ベイタウン全体の子供たちのために、ぜひ欲しい。

#この要望は打診中。千葉市も、前向きに受け止めている。
 (「具体的な要請があれば、積極的に検討する」と市担当課)。
#スペースは、他の導入施設とのバランスを考えなければならないが、可能性は十分にあるので、今後の検討課題としたい。(尾辻さん)

2)コア内に教会の施設を入れて欲しい。

・高齢化時代となり、精神的支えが欲しい。
・小学校や、思春期など難しい時期を迎える時のバックボーンを提供できる。
・災害の時に、独自のネットワークが使える。
・ベイタウンでは、仏教よりつながり深いのではないか。
・カトリックの上智やイグナチオが後押しする。
・ヨーロッパの都市の広場のように、教会があると締まる。

#コア内の教会は、建物のデザインを似せる事はできても、宗教施設ができることは不可能。
#宗教団体が他の遊休地を購入して作るのは自由である。
#時代の変化もあり、現在、ベイタウンのマスタープランの見直し作業を企業庁を中心になって進めている。

3)尾辻さんへの要望

・施設・都市計画者としての街づくりのコンセプトを出して欲しい。
 また、コミュニティ・コアのコンセプトを示して欲しい。
・いろいろな話や要望が多く出るが、予算の裏付けがないとどうしようもないのでは?
・もし、補助金の採択を予定しているなら、補助金が足かせになる場合がある。
・県や市の来年の予算計画や見積りなど、どのような計画をされているのか教えてもらいたい。
・都市計画を行なう場合、入口や広場はどういうかかわりが出来るかといった大枠を決めて、その中からディテールを考えてはどうか。

4)尾辻さんからの回答

・コミュニティ・コアはすでにマスタープランでも位置づけられている通り、ベイタウンの中心的な施設であると考えている。
また、当初のマスタープランでは文化施設としてあげられているのだが、都市環境研究所ではベイタウン住民も増え、さまざまな住民(コミュニティ)活動が行われているので、そういったコミュニティ活動を支援していく地区ためのセンター的施設を考えている。
・コミュニティコアは早期整備施設と将来整備施設の2段階に分けて、整備することになっている。
早期整備施設については生活利便支援施設として考えており、将来整備施設はさまざまなコミュニティ活動を支えるとともに、ベイタウンの中心にふさわしい施設を考えたいと思っている。
 (たとえば、ヨーロッパの田舎にある昼、夜なにげなく集まれるパブとか)。
・これからの街づくりは住民参加が中心となっていくこともあり、タウンマネージメント的機能を導入すると同時に、それを支える収益施設(プチホテル、レンタルオフィスなど)を導入できないか考えている。
・今回の企業庁からの委託業務は、早期整備施設の基本計画策定となっているが、活動計画、整備計画などを検討する上で、将来整備施設の関係も整理していく必要もあるため、コミュニティ・コア全体の整備方針についても検討していく予定。
・現在の有料駐車場は、13番街の11番街寄りの空地とか他の地区へ移動させ、駐車場跡地に、植栽を多くした広場を作りたいと考えている。
・11番街側にはシンボルタワー的なものも考えたい。
・上から見下ろすことになるので、屋根には変化を付けたい。
・早期整備施設の大まかな配置としては、中央に300席位の多機能ホール、11番街側に公民館や郵便局の施設、10番街側に図書館を持ってくるのではと考えている。
・カルガモ館は、撤去される予定。
 (建築基準法、不適格。現在は暫定施設として扱われている)
・ベイタウンの街並みと似た壁面や配置としたい。

5)尾辻さんへの要望

・ベイタウンの設計者は、構想や店舗の良さをアピールしているが、実際に住んでみると設計者の考えと現実の違いを痛感する。
店舗も、現在利益を上げている所は少ない。もっと現実を見て欲しい。
・プチホテルも、実態とかけ離れているのではないか。
・同じような形の並んでいるベイタウンの中では、コアの形は○や△、扇形があっても良いのではないか。
・コア前の広場に接する交差点は、もっと有効的に使って欲しい。
・広場と交差点を取り込んだ広いスペースが確保できる。
・早期整備施設と12番街寄りの公園との間は、どうなるのか。
・将来整備施設と早期整備施設全体で12番街側に詰めたら、広場がもっと広くなるのではないか。
・防災施設はどうなるのか。
・拠点となるような施設と防災用品の備蓄はおこなって欲しい。
・交番の設置や、ゾーニング見直して欲しい。

6)尾辻さんからの回答

・公民館や図書館については(どこの自治体でもそうなのだが)、千葉市はそれぞれ「公民館設置管理条例」「図書館設置条例」をもっており、通常の考え方からすると、公平の原則もあり、それぞれ施設の内容は自ずと決まってくる。
・ただし、施設内容には限度があるが、あすみが丘複合施設の立地や浦安での取り組みのように、ベイタウン住民の強い要望により、ベイタウン方式といった形で実験的な施設づくりを実現させたいと考えている。
・今後、基本計画を検討していく上で、施設の管理運営を行う千葉市との協議・調整が重要となってくる。

#千葉市としては、コミュニティーセンターは検見川浜にあるため、これと同じ規模の施設は作れない。
#図書館もマリンピア横に本館があるため、図書館分館となる。
#ベイタウンのコアは、当初企業庁が建設して運営もするつもりだったが、バブルがはじけ消えてしまった。
#赤字が出ないようにするのが第1と行政は考えている。
#本来なら、公民館と図書館はもっと早く出来ていたのだが、1回パスされてしまった状態である。
#複合施設として作ることにより、寄せ集め+αのα部分になんとか新味を押し込めないか。 
#新型の施設だから、知恵を働かせ柔軟に対応できないか。

7)尾辻さんへの要望

・住民が突っ込める方法としては、千葉ニュータウン・サザンプラザの例がある。
・補助金を取っ払うことにより、住民側に沿ったものができる。
・住民側で、どこかに委託することも考えられる。
・多目的スペースで、良いものができないか。

8)尾辻さんからの回答

・土日も含め、コンサートやスポーツ、演劇などで何にでも使えるさまざまな整備機能を持った多機能ホールを導入したいと考えているとなると、このホールは市の公民館施設の基準となるため、管理運営をどの担当課がやるのかといったところを、千葉市とこれから協議していく必要がある。
・ランニングコストなどについても、調整が必要だ。
・夜間利用も含め、自由に住民が施設利用できるためには、千葉市が第三者の団体に運営委託することになる。
・そのため、運営委託といっても、法人格を取らないと、自治会ではダメ。
・タウンマネージメント(TMO)のような、たとえばNPO組織を住民が主体となって組織するよう今後考えてみてはどうか。  

#ベイタウンの場合は退職者が少なく、住民活動がなかなかできない。
#小人数の自己犠牲の中で活動ができている現状だ。
#住民参加といっても、過度な負担を強いることになってはいけない。(下川さん)

9)下川さんへの質問

・千葉ニュータウンでも、若い30代や40代が中心になってがんばって動いている。
 住民はできないということはないのでは・・・。
・声の大きい人の意見が通り、小さい人や老人、サークルを作っていない人との接点がないのは問題である。

10)下川さんの回答

・やる気のある人は、どんどん自分自身が中心になってやってほしい。
 それがまず大事。
・たくさんの声を聞きたいということで、今日のような「つどい」をこれまでもやってきた。

11)ホールについての要望

・スポーツ対応型でも、天井を高くしたりして残響時間を長くするなど工夫できないか。

12)尾辻さんからの回答

・具体的な空間イメージづくりから検討を始めており、まとまり次第、別の場を借りて提案し、意見交換させていただきたい。
・ホールも含め、全施設の費用を10億円位とみている。
・残響時間などの機能については、工事コストなどの制約はあるが、可能ではないかと考えている。

13)特定郵便局について

・休日休みで平日も早めに閉店となると、コアの施設としてふさわしいのか。
・他の空き店舗が利用できないのか。

#郵便局は出たがっている。
#ほんとうに必要かどうかは、まだ議論していない。
#区役所出張所も作りたいと、市は言っているようだ。
#人口が一万人を越すと老人憩いの家も必要となる。
#老人憩いの家は、将来整備施設とするか、インターナショナルスクール予定地にモデル的なのを考えることもできる。
#銀行を、コアの中へ移せばどうかという要望もある。

14)音楽愛好家としての希望

・ホールの音響を第1に考えて欲しい。
・体育館でも響きの良い所もある。

15)コア建築研究会

・建築家には、自己主張の強い方もおられるので注意が必要。
・今後予定している検討会の回数だけで、決められてしまうのは問題。
・検討会やその他の検討する場で何を決めるのかをスケジュールに沿って目標を提示してもらいたい。
・ホールを例にしても人さまざまにイメージは異なる。
・節目節目に、行政はきちんとプレゼンテーションしてほしい。
・行政側は住民全部に広報して欲しい。

#住民側としては「理想を取るか、現実を取るか」の質問も出たが、「どちらも取りたい」という意見が、いまのところの考えだろう。
#コア研を通して要望をまとめるとなると、細かい内容で十分でない場合がある。
#今後は、各グループで直接担当セクションに働きかける必要があるのではないか。

16)図書館研究会

・いろいろ勉強会を続けてきたが、現在は2名となってしまった。
・過去の資料を引き継いでもらう方おられないか。

#参加者の宮田さんより時間的余裕ができるので、考えてみたいと申し出がある。

17)自治連合会

・まとめる時、ベイタウンらしさを議論して欲しい。

18)コミュニティ放送研究会

・多目的施設の中に防音施設を希望する。
・映像の上映施設も欲しい。

19)辻さん

・コアの運営が大変なので、今から人材バンク的仕掛けをして欲しい。

20)ベイタウンネット

・「この指とまれ」の記入フォーマットを配るので、サークル活動されているグループは書き込んで欲しい。

21)防災委員会

・コミュニティ・コアへの要望書配布。
  @防災活動の拠点としての「ベイタウン防災センター」の設置
  A防災倉庫の設置
  B防災設備の設置

◎コア研の会計より

・サークル、個人の活動費や印刷物の請求書を提出あれば、費用は支払う。
----------------------------------------------------------------------

●このレポートをまとめる過程で、聞き間違いや誤記入があると思いましたので、下川さんと尾辻さんに見て頂き、補足した個所もあります。
どうもありがとうございました。