ピアノ選定の考え方
(2002.2.10)

 これまでプレゼンテーション・ドキュメント類で述べてきた選定委員会の考え方を、ここに再掲する。

 ホールにおけるピアノは演奏性が重要である。

 当初の企業庁のアイディアは500人規模の音楽ホールであり、計画は縮小されたものの「キラリと光る」要素として、当初のアイディアを引き継ぎ住民の要望にも応える音響にこだわった小ホールとなった。設計計画高谷時彦事務所/永田音響設計が担当したコア・ホールの仕様は一流プロの演奏を前提としたものである。
 この、一人当たりの空気体積10m3という一流コンサートホール並みのスペックに見合うサイズは2.2m程度以上と考える。また、コンサートグレードとして製作されたものが適当で、”フルコンサートグランド”または”セミコンサートグランド”が適当と考える。

 一流プロの評価となる国際的評価は重要である。これは欧米ホールでの購入状況、海外演奏公演を行う一流プロの意見、欧州の状況をよく知る調律師の意見などを参考にしている。

 新しい文化発信、国際都市幕張という立場からも国内知名度は必ずしも重要ではない。ただし、国内ではコンサートピアノ=フルコン(セミコン≠コンサートピアノ)という認識があることを加味する必要がある。

 公共ホールという性格上一般初級〜中級者の弾き易さも必要となる。技術がなくてもよい音をそろえやすいものほど得点は高くなる。

 しかし、予算が貧しい以上、予算制限の中で候補を絞り込むこととなる。実体としては、元々存在しない予算をいかに獲得するかに奔走している状況である。
 なお、中古は程度のよいものを探すことが難しく、ホールでの酷使に耐えられないため除外する。

 以下に、主なフルコンメーカーの比較表を挙げる。価格はいずれも正規ルートによる新品についての一般的なものである。




 これらの条件を加味し、予算面から折り合うものが購入対象となろう。