2001.7.3
千葉市立中央図書館長殿

 

美浜図書館打瀬分館(仮称)

図書要望書

 

 梅雨の一休みの暑い時節でありますが、打瀬分館準備に関しまして要望書をお送りいたします。幕張ベイタウン・コミュニティ・コアの一部として来春開設される打瀬分館の性格を鑑み、いくつかのジャンルをあげさせていただき、また、一部ではありますが具体的に要望図書リストも同封いたしましたので、よろしくご勘案のほどお願い申し上げます。

1. 要望書の趣旨

 幕張ベイタウンは、幕張新都心の住宅地区として1995年より造成され、現在も開発途上にある住民1万人の街です。長らく懸案であった公民館、図書分館、子供ルームの複合施設であるコミュニティ・コアの開館が来春にも迫る中で、住民からのさまざまな要望や、千葉県企業庁、千葉市等と住民との協議が活発になっております。

 図書分館につきましては、一昨年から市による計画案の説明会などをしていただいてきておりますが、その中で、住民からの図書の要望を受け付けたいとのお申し出があり、以来、ベイタウン・コミュニティー・コア研究会を中心に住民からの要望と意見のとりまとめをおこなってきました。

 今回の要望書は、上のような経過により幕張ベイタウン住民によってまとめられたものであり、打瀬分館に配架されるのに相応しいと思われるジャンルと図書リストを打瀬分館準備の参考資料としてお使いいただきたいと考え、提出するものです。

2. 打瀬分館に相応しい図書コレクションおよびジャンルについて

2.1 幕張新都心・幕張ベイタウン開発資料コレクション

 美浜区図書館の打瀬分館が建設される幕張新都心、幕張ベイタウンは、ご承知のように、千葉市において最も国際的、先進的な地域の一つに数えられます。とくに、幕張ベイタウンの都市計画は全国的にも関心の的であり、住民の中にも建築や街づくりの専門家も含めて、都市のあり方に興味のある人が多いと言えます。企業庁からの協力が得られることを前提に、幕張新都心・幕張ベイタウン開発の資料コレクションをつくりたいと考えます。

2.2 街づくりコレクション

 先にも触れましたように、幕張ベイタウンが埋め立て地にまったく何もない白紙の状態から、デザイン会議を中心に建物で街を作ろうとしたことはあまりに有名です。ベイタウンにすまう居住者の中には街づくりや都市開発の専門家が少なくなく、一般住民の中にもソフト面、ハード面の街づくりに関心が高いことは誇張ではない現実ではないかと思います。上記の開発資料コレクションは企業庁を中心としたものですが、ここでは都市開発、街づくりなどの一般書コレクションをつくり、打瀬分館の特徴としたいと思います。幕張ベイタウンにそのようなコレクションを作ることで、全国的にも名がはせるのではないかと期待しています。

2.3 洋書コレクション

 幕張ベイタウンには、幕張新都心の企業や研究期間を背景にして、多くの外国人、多くの海外滞在経験者が住んでいます。また、ここに図書分館ができれば、幕張新都心やメッセに関係する外国人が来訪することも予想されます。したがって、英語を中心とした洋書および新聞、雑誌に対するニーズは単に外国人居住者だけでなく、日本人の居住者の中にも相当高いのではないかと思われます。すでに浦安市立図書館をはじめ、千葉市内でもみやこ図書館には洋書が配架されていると聞いていますが、打瀬分館にもまた洋書を3つめの特徴のあるコレクションとして集めたいと思います。その際、重点とすべきものとしては以下のジャンルがあげられます。

(1)世界古典名作文学、人気作家文芸書、日本人の著作の英語翻訳書など

(2)児童用の童話や絵本、さらに世界各国の教科書

(3)日本社会、文化に関する概説書や参考書

(4)英字新聞、中国語新聞、韓国語新聞

(5)日本語教科書、参考書

2.4 各種希望ジャンル

 幕張ベイタウンは、街びらき6年目にもかかわらず、さまざまなコミュニティ活動が行われ住民意識が高いことも特徴としてあげられます。コミュニティ・コアをはじめとして、まちづくり研究会、シニアクラブ、エコパーク、グリーンサム、テニス・クラブ、国際的イベントを目指す俺達グループ、また、コミュニティ・メディアであるベイタウンニュースやベイタウンネットなど、生活一般、介護、趣味、エコロジー、など極めて多岐に渡る興味、関心があり、活発なネットワークがつくられています。

 さらに、今年4月から海浜打瀬小学校が開基したことからもわかるように、子供が多く、住民の平均年齢も31歳と非常に若いことも大切な街の特徴の1つと思われます。

 以下、充実していただきたい希望ジャンルをあげます。

(1)福祉関連

(2)若者向け文芸書、雑誌

(3)幼児向け絵本、児童書

(4)小学校の総合学習用図書(社会科系と理科系)

(5)地元の歴史書

(6)地元の文芸書(とくに、椎名誠文庫があるとよい)

(7)都市と緑に関する啓蒙書、実用書

このうち、(6)椎名誠文庫については、椎名誠が少年時代を幕張町で過ごしており、小説、エッセイの中にも数多く幕張の浜の記述が多いことから、打瀬分館に椎名誠の著作を集めてはどうかとの案が複数の方からでていました。もし可能であれば、これもまたコレクションに格上げしていただければ幸いです。

2.5 図書リスト(別紙)

 具体的な図書希望につきましては、別紙にまとめましたのでご覧下さい。excellで作成したファイルも同封いたします。

 なお、図書のジャンル分けは恣意的なものですので、単に目安としてご覧下さい。たとえば、児童書の中には幼児向け絵本も含まれていますが、区別が難しいため、そのままにしました。また生活ジャンルの中には、福祉・介護関係と生活一般に関するものとが併存しています。

 ごらんの通り、書誌情報につきましては、1冊1冊の確認をとるいとまがなく、はなはだ不完全です。ご迷惑をおかけすることをお詫びいたします。

以上が、幕張ベイタウンのコミュニティ・コア研究会を中心としてまとめました打瀬地区の特色についての背景説明と図書のコレクション、ジャンルの要望です。図書準備のご参考にしていただければ幸いです。

 最後に、図書の選別に関しましては、素人ながら、限られた配架スペースと基本図書の充実という困難な作業の中で、なお特色ある図書分館づくりを志されました貴中央図書館に感謝いたします。今後ともよろしくお願いいたします。

幕張ベイタウン・コミュニティ・コア研究会